【第6回】諌山 憲司 先生

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『統合医療に期待していること』


諌山 憲司 (イサヤマ ケンジ)
広島国際大学 救急救命学専攻 准教授


社会の仕組みの中で、縦割りなど各分野や専門職種間での対立が存在する。医療分野においても同様である。さらに、統合医療の分野においてさえ、信念対立が存在するというのは、理解し難い。本来、統合医療の趣旨は、西洋・東洋医学、TM・CAMを包括し、人の健康(Health)や生活(Life)を医療やヘルスの分野からよりよく継続できるようHLCP(Health & Life Continuity Plan)を提示することではないかと考える。私は、当学会内で唯一の救急救命士であろう。私自身、救急や医学へのこだわりはなく、もちろん救急救命士という資格や職域での信念対立は当学会内ではありえない。救急救命士が、私一人であるからだ。だからこそ、面白い。資格職の慣例や風習にも縛られず自由な発想ができるのではないかと感じている。私は、当学会員として3年ほどと会員経験や統合医療の認識は、決して長く深くない。しかし、当学会内での各資格職間での信念対立を感じることがある。対立している間は、まだ対立する余裕があるのだとも感じている。ただ、日本は現在の超高齢社会だけでなく、今後、顕著な人口減少社会へ向かう。さらに、近い将来、南海トラフ・首都直下地震などネクストクライシスの発生が危惧されている。そんな時代、信念対立している余裕はないはずである。近年では、医療やテクノロジーの進化にも伴い、健常者と障害者、医療者と患者といった区分は成り立たないと考えている。統合医療は次世代の医療やヘルスを担うものだと信じている。しかし、このまま各資格職間の信念対立が残存する限り、担うものには成り得ないだけでなく、旧態依然の医学・医療体系と変わらないものとなる。資格職からのアプローチではなく、各個人として自分の専門+医療・ヘルス以外の分野から様々なアイデアを活用し、医療資格を持たない住民などと共にHLCPを目指す者が集まり、個人のHLCPを深めていく。そこに、統合医療の真髄が活かされることを期待している。

【略歴】
消防本部 勤務, 救助隊員, 救急救命士
専門:博士(医学), 修士(国際関係学) 
日本統合医療学会認定師, 救災
社会災害医学, Survival Healthcare 
 第19回日本統合医療学会プログラム委員

タグ:救急救命士
posted by IMJ2015事務局 at 18:00 | D統合医療に期待していること