【第25回】小山 悠子 先生

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『快適な歯科治療』

小山 悠子(コヤマ ユウコ)
医療法人社団明悠会サンデンタルクリニック理事長
日本統合医療学会代表代議員、指導医
日本歯科東洋医学会常任理事、専門医

 歯科治療には、「痛い、こわい!」というイメージがついてまわり、患者さんの早期治療を阻んでいることも事実です。従来歯科医師は、口腔内のみにとらわれ、患者の情動、性格、生活環境などは考慮せず、機械的、画一的な治療を行っていて当然というような診療態度・行動をとってきたように思います。実際にはこうした歯科治療のストレスは、患者だけでなく私達歯科医師サイドにも重圧となってかかっていることも否めません。なぜなら、一般医科の治療に比べて、歯科治療には患者さんから「抜かれた」「削られた」となにげなく表現されることに表れているように、「やられた」という攻撃イメージを抱かれやすい職業特性があります。

 このような特殊な歯科医療の現場において、「良好な術者―患者関係」という、より良い"場"の形成を心がけ、画一的でないHolisticな対応を行うには、この相補・代替医療(CAM)の導入こそが、歯科医療の短所を補う格好の手段であることを、過去三十年以上の私の臨床経験から、強く確信しています。

 抜歯をしてもインプラントのオペをしても、腫れたり痛くなったりせず、開口障害もすぐ口が開くようになり、楽になります。歯科治療が怖いという患者さんには、リラックスして眠れるように治療いたしましょう。このように、「痛くない、怖くない、治りの良い」治療として、統合医療は歯科診療になくてはならない大切なものです。
 実際には、手や顔面のツボに電極を貼付して刺激を与たり、頚肩部の指圧マッサージ、足の反射療法、鍼灸療法、サプリメントや漢方薬の投与、催眠療法、その他の代替療法を駆使して、歯科治療を行っています。

 最近では、口腔内の細菌が、「小さな殺し屋」と言われ、様々な病気の原因になっていることが、わかってきました。心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、心内膜炎、骨粗しょう症、糖尿病、胃潰瘍、肥満、腎炎、皮膚炎、関節炎、ガンなどです。
 誤嚥性肺炎も多く、手術前に口腔内をクリーニングしておくだけで、術後肺炎の発症率は、1/5になり、そのためにかかる医療費38.5兆円が、2.6兆円ですむという報告もあります。

 このように多くの全身疾患が歯科治療によって予防できることがわかってきているので、統合医療で怖くなく気持ち良い歯科治療を、みなさんに受けていただきたく思っています。

【略歴】
1980年 (医)社団明徳会福岡歯科理事長福岡明先生について、
       歯科東洋医学の講演、研究、執筆の助手、学会発表を始める。
1989年  医学博士取得
2010年  医療法人社団明徳会より独立
2011年  医療法人社団明悠会サンデンタルクリニック理事長
タグ:歯科医師
posted by IMJ2015事務局 at 16:58 | C専門分野からみた統合医療

【第24回】岡 美智代 先生

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『統合医療が患者様にもたらすeaseの追求』


岡 美智代 (オカ ミチヨ)
群馬大学大学院保健学研究科 教授 


 わたしが統合医療に関心がある理由は、患者様にeaseになってほしいという思いからです。'ease'、つまり、身体的にも精神的にも楽に、楽しくなってほしいということです。

 私の専門は慢性看護学であり、特に生活習慣病などの慢性疾患をもつ患者様の食事療法や運動療法などの実行度を高めるための行動変容支援を専門にしています。しかし、行動変容支援は、時に患者様の好きな食事の制限や、嫌いな運動を勧めることを伴うため、患者様には耳の痛いお説教もどきになることもあります。私自身も、わかっているのに改善できない行動があるのに、患者さんだけにお説教するのも心が痛んでいました。これでは、easeにdisがついてしまうのではないかと思うくらいでした。医療者の関わりが原因で、diseaseになってしまっては、しゃれにもなりません。

 少し話は変わりますが、わたしが統合医療に興味を持ったのは、1990年代後半であり、まだ日本代替・相補・伝統医療連合会議(JACT)と日本統合医療学会(JIM)が統合する前でした。(正直、当時はどちらの会に自分が入っているのかわからず混乱していることもありました。)

 当時は、アロマセラピーなど統合医療の中の何かが、看護師が行う治療として医療現場で応用できるのではないかと考えていました。2005年にはメイヨークリニックに行き、当地での統合医療の実際を見学してきたほどでした。 しかし、専門である、行動変容支援の必要性にかられ統合医療からは少し距離を置くようになりました。

 ところが、1〜2年前から、また統合医療に再度関心がわいてきたのです。今度は、気候療法を活用した運動療法です。気候療法はドイツなどで開発されたもので、自然の中で楽しく運動する方法です。お説教しなくても、楽に、まさにeaseに運動できるのです!!2014年度から気候療法で科研費もいただいていますので、今後は、ちょっと本腰を入れようと思っています。気候療法とeaseの関係、そして統合療法がどれだけeaseをもたらすのかも、追求ようと思っています。

 最後になりましたが、第19回日本統合医療学会(IMJ2015山口大会)の招請講演では、親友のWendy Chaboyer教授に来てもらうことになりました。

 彼女は7月にプエルトリコで開催される国際学会の、ゲストスピーカーとしても招聘されています。

 オーストラリアの彼女の研究室には、病院で撮影した、彼女が患者さんを見守る写真が貼ってあります。その写真の中の彼女のまなざしはとても優しく、今回のテーマのhumanityにぴったりです。Wendyの講演は、12月13日です。多くの方がいらっしゃることを期待しています。http://www.imj2015.com/program/

【略歴】
順天堂看護専門学校卒業 看護師免許取得
虎の門病院勤務
筑波大学大学院博士課程修了, 博士(医学)取得  
山形大学医学部看護学科 助教授
H18.4より現職

タグ:看護師
posted by IMJ2015事務局 at 16:11 | A私と統合医療

【第23回】土井 麻里 先生

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『私と統合医療』


土井 麻里 (ドイ マリ)
脳神経リハビリ北大路病院心療内科医長
日本統合医療学会代議員、指導医


私が統合医療に興味を抱いたきっかけは、大きく3つあります。一つ目は、自分の父を食道がんで亡くしたことでした。当時私は20代前半の医学生でしたが、従来のがん治療だけで本当に十分と言えるのか、治癒力を増進させること、生活の質や人生を含めた医療の視点もあってもいいのではないか、父の闘病を通して、患者家族という立場から疑問を持ちました。次に、医師となり日常臨床の中で、従来の医療だけでは不十分な局面を体験したこと、多忙な生活から来る心身のストレスで自分自身の健康が損なわれた体験、それらの体験を通して、医師として、また一人の人間として、代替療法を含めた、よりトータルな医療、つまり「統合医療」が必要ではないかと実感させられました。そのため、種々の代替療法を自ら体験し、さらにはその手法を学び、取り入れることのできるものは取り入れ、今に至っています。その中で、現在、私が主に使用している代替療法は、心理療法、ホメオパシー、呼吸法や筋弛緩法などのリラクセーション法で、漢方もできる範囲で活用しています。しかし、患者さんによってそれ以外の療法が適している、必要な場合ももちろんあります。その時は、代替療法の相談にあたらせていただいて他の代替療法を薦めたり、他の専門治療家と協力し合って対応することもあります。また、統合医療臨床で重要なこととして、確かな医療技術や医学的エビデンス以外に、「癒し」という側面があげられます。一般に、癒しというと、安楽を意味するととらえられがちですが、統合医療においては、セルフケアやその体験を通した個人の成長・成熟、他者とのつながりといったことも含まれてくると思います。それだけに、統合医療の学びと実践は非常に奥が深く、終わりのない旅のように思えます。患者さんと共に取組み、また仲間と共有しながら、より質の高い統合医療を実践していきたいと思っております。

【略歴】
関西医科大学卒業。
Nature Care College(豪州)エネルギーヒーリング学科卒業。
日本心療内科学会登録医
日本ホメオパシー医学会専門医、北陸関西支部長。
森ノ宮医療大学大学院非常勤講師。
著書「スピリチュアルヘルス宣言」「愛と光にめざめる女神事典」

タグ:医師
posted by IMJ2015事務局 at 14:31 | A私と統合医療