【第42回】鈴木 八重子 先生

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『古典に秘められた健康への手がかり』


鈴木 八重子 (スズキヤエコ)
(社)日本ヨーガ療法学会、認定ヨーガ療法士
日本アーユルヴェーダ学会、セルフケアアドバイサー

アーユル・ヴェーダと云うインドの伝統医学を日本に取り入れたのは、大阪大学衛生学の丸山 博先生を中心にした、ほんの数人の先生がたの集まりだった。かつて、インドを訪れた桜沢如一先生が、現地から「インドには、面白い伝統医学(?)があるよ」と云えて来た情報により、丸山 博先生を中心に、幡井 勉先生達のグループがインドを訪れ、其の情報を日本に持ち帰ったという事実が、日本におけるアーユルヴェーダ研究の発端と聞き及んでいる。 

1981年に開催された第3回アーユルヴェーダ研究総会で丸山先生が『「いのち」の認識を深めるために』と云うテーマで講演をされている。
読売新聞1981年9月8日には、『「人は 身体・心・魂が一体」現代医学の欠陥を見直す風潮』のテーマで、この研究総会の状況が記載されている。更に、『この会のメンバーは、インド学者は当然、生物学者、医師、僧職、教師から一般人、理論物理学者迄いる。面白いのは、近代医学の洗礼を受けた医学者が中核を占めている事だ』と記載されている。(アーユルヴェーダ研究誌、第11号より抜粋)
1980年代にすでに、この場では、現代医学と伝統医学の統合医療の必要性を模索し始めている様子を呈している

現在、日本ヨーガ療法学会では、認定ヨーガ療法士たちが、認知症施設、依存症施設、精神病施設、ホスピス施設等 その他、現代社会が抱えている問題の、多くの方がたに向けて、ヨーガ療法を行っており好評をいただいている。医療機関の協力をいただきながら、各種研究も進んでいる。

ヨーガ療法のベースとなり支えているものは、伝統的ヨーガの手法と、タイティ―リヤ・ウパニシャッドの身体五層説、カタ・ウパニシャッドの人間構造論である。更に、見立として、アーユルヴェーダの内科的古典「チャラカ本集」、ヨーガの古典「ヨーガスートラ」「バガヴァット・ギーター」等の記述事項の中から、ヨーガ療法における、アセスメントに該当する部分を引き出し、カウンセリングに活用をしている。
3000年も昔から、消え去ることなく、多くの人々に営々と伝えられてきた伝統医学や古典経典群をひも解くことで、現代人が背負っている苦しみから、解放される秘訣を引きだす事が出来る。

その時代時代の人々が、健やかに生きるためのヒントが含まれていた古典や伝統医学の叡智は、引き継がれ、現代も輝きを失うことなく、未来の人々の健康の糸を紡いでいく事になるのだろう。

【略歴】
(社)日本統合医療学会代議員
(社)日本ヨーガ療法学会常任理事
アーユルヴェーダ学会理事
東京アーユルヴェーダ研究会世話人
蒲田ヨーガ療法研究所主宰
現在、地域の高齢者、精神病疾患者等を対象にヨーガ療法を指導

タグ:ヨーガ
posted by IMJ2015事務局 at 16:30 | @統合医療との出会い

【第41回】鈴木 清志 先生

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『私と統合医療』

                       
鈴木 清志 (スズキ キヨシ)
一般財団法人MOA健康科学センター理事長
東京療院・MOA高輪クリニック院長

統合医療との出会い
 子どもの心臓病の専門医だった私は、300人にも及ぶ子どもの死と、それを見守るご家族の悲しみを見続けました。やがて私は現代西洋医学の限界を感じ、統合医療に惹かれていきました。JR品川駅前の東京療院(2013年より日本統合医療学会の認定施設)には2001年から勤務しており、ボランティア(MOA会員)の方たちのご協力を得て、日々60〜80人の来院者を受け入れています。

統合医療とは
 自民党国会議員による統合医療推進議員連盟が本年3月にまとめた報告書によれば、統合医療には「医療モデル」と「社会モデル」とがあって、医療モデルは生活習慣病の増加と高齢化による医療費の増大に対する具体策であり、社会モデルは健康長寿社会の実現のための具体策だとしています。この2つは互いに補い合って、自助(生活習慣を改善する自らの努力)と、共助(お互いの支えあい)による健康・医療システムとまちづくりを目ざします。

 MOAは、「農と食」「芸術・文化」「エネルギー療法」の3つを柱とする健康法を通して、お互いの生活習慣の改善を支え、身体的、精神的、そしてスピリチュアルなサポートを含む全人的な共助の構築を目ざしています。これは統合医療の概念に基づく自助と共助の具体的なモデルの一つだと思います。

日米英の統合医療のリーダーたちによる国際シンポジウム
 MOAは、米国アリゾナ大学のアンドルー・ワイル教授と英国国営保険サービス(NHS)連盟議長のマイケル・ディクソン教授をお招きし、日本統合医療学会の仁田新一理事長、渥美和彦名誉理事長、大阪大学の伊藤壽記教授のご協力を頂いて、本年4月末に国際シンポジウムを開催しました。厚生労働省や文部科学省など、統合医療に関連する7つの省庁の後援を頂き、東京と京都の両会場で4,000人もの人々にお集まりいただきました。ワイル教授もディクソン教授も、日本では多くの国会議員が統合医療推進のために活動し、関係省庁が今回のシンポジウムを後援したことに驚かれるとともに、統合医療を医療モデルと社会モデルに分けて整理したことに感銘を受けておられました。また、MOAの活動を高く評価して下さり、勇気づけられました。
 とは言え、MOA活動にはまだ課題が山積しており、試行錯誤の段階です。興味のある方は、ぜひ東京療院においで下さい。各種体験コースなどをご体験いただき、ご意見を頂ければ幸いです。

【略歴】
千葉大学医学部卒。医師、医学博士。専門は小児循環器学、統合医療。
榊原記念病院小児科などに勤務後、現在(一財)MOA健康科学センター理事長、
(医)玉川会理事長、東京療院・MOA高輪クリニック院長。

タグ:医師
posted by IMJ2015事務局 at 16:42 | A私と統合医療

【第40回】班目 健夫 先生

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『実践の中で役立った統合医療』

班目 健夫 (マダラメ タケオ)
青山・まだらめクリニック院長



 統合医療とは何か?という難しい話はさておいて、実際の診療に役に立つものが統合医療であって欲しいと思います。筆者は小学校入学前に交通事故に遭い、その後から体調の悪い状況が続いておりました。ランドセルを背負うと肩がこってしょうがないという、情けない小学生でした。この持病のおかげで、様々な統合医療といわれる治療法が、効果があるのかないのか判定が容易に出来る便利さがありました。宣伝はすごいのですが、実際には筆者の肩こりに効果のあったものは極めて少なかったのも現実でした。自分自身の肩こりを何とかしようと研究を重ねてきたのが、筆者の統合医療の歩みになっております。効果が実感出来ているのが、刺絡・灸・気診治療の3種類の治療法でした。いかにこれらの治療法が他の治療手段よりも優れているといっても、筆者の肩こりは年期が入っております。そうは簡単には治せなかったのです。しかし、治療法を考えに考えた結果、ようやく積年の宿痾が解消されるに至りました。

 筋肉の状態をいろいろな角度から考えた結果、主動筋と拮抗筋の関係を応用することで良好な結果が得られました。これまでは主動筋が緊張していたら、拮抗筋は弛緩していると考えられておりました。詳細に身体を観察すると違うのです。主動筋が緊張している場合には、拮抗筋の多くは弛緩しております。しかし、極めて限局的にですが、拮抗筋の一部が緊張していることがあるのです。この現象を発見してから肩こりに限りませんが、様々な病態の治療効果が上がったのです。昨年横浜で開催された日本統合医療学会シンポジウムで発表しましたが、線維筋痛症が治るスピードが速くなっているのです。これまでは社会復帰までは2年程度かかりましたが、最近の患者さんでは条件が整うと1年で社会復帰が可能になってきたのです。筆者にとっての役に立つ統合医療とは解剖学の知識でした。それを目の前の患者さんにどのように応用するのか、その考え方でした。通常の解剖学の書籍では不十分で、ボディビルダーが読むような筋トレの書籍が役に立ちました。その成果をまとめた書籍が昨年夏に出版されております。筆者にとっての役に立つ統合医療としては解剖学と筋トレの統合でした。

【略歴】
班目 健夫
青山・まだらめクリニック院長。併設の自律神経免疫治療研究所の所長を兼ねる。
西洋医学では肝臓学・微小循環学を専攻。身体の冷えを湯たんぽで改善させる手法を開発。
各種湯たんぽを作製してきた。気の医学を研究テーマにしている。

タグ:医師
posted by IMJ2015事務局 at 16:37 | B実践の中で役立った統合医療