【第15回】和田 雄志 先生

022和田 雅志.JPG


『統合医療とスピリチュアリティ』


和田 雄志 (ワダ ユウジ)
公益財団法人未来工学研究所 理事
日本未来学会 常任理事


 IMJ2015山口大会のサブテーマ「ヒトはBody,Mind,Spiritの存在」について、私の思うところを2点、述べさせていただきます。
 まず大会長のコメントにもありますように、ターミナルケアなどの臨床現場においては、魂の癒し、「スピリチュアリティ」とどう向き合うかは、避けて通れないテーマです。
いうまでもなく、医療は、患者の治療や延命を最大目的としています。日本は世界最高水準の長寿国になった反面、国民医療費は年々増加の一途をたどり、生涯医療費の半分が70歳以降に使われているのも現実です。

延命治療すべてを否定するものではありませんが、生命維持装置につながれたいわゆるスパゲッティ症候群などを見るにつけ、患者のQuality of Death(死をどのような形で迎えるか)、延命治療や尊厳死問題とどう向き合うのか、などについて統合医療学会ならではの多角的視点での議論や具体的な事例紹介を期待します。

 第2は、ヒトは、Body,Mind,Spiritの存在であるだけでなく、「社会的な存在」であるという視点です。医療従事者にとっては、目前の患者に目が向くのは当然ですが、同時に患者の「生活や人生へのまなざし」が不可欠な時代になりつつあります。特に生活習慣病やメンタルヘルスなどの領域においては、病院や診療所内での治療にとどまらず、日常生活の場やコミュニティケアの比重が増加しつつあります。現在、国や自治体が進めようとしている「地域包括ケア」において、統合医療や代替医療の認知度・関与度が極めて低いのも現実です。

 我が国は本格的な超高齢社会に突入しましたが、今後、統合医療の果たす役割はますます大きくなると思います。

 【略歴】
1974年 立教大学文学部心理学科卒業
   同年 財団法人未来工学研究所研究員
   現在 人口減少時代の社会モデル構築、高齢化するコミュニティの再生、
       未来身体(サイボーグ)研究などに取り組む。
タグ:その他
posted by IMJ2015事務局 at 15:46 | D統合医療に期待していること