【第12回】河野 紘 先生

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気と「気」と「○○気」


河野 紘 (コウノ ヒロシ)
公益社団法人山口県鍼灸師会 代表理事

気とは目に見えないものである。
「気」とは森羅万象それぞれに個性を与え、万象たらしめているものである。
「気」とはそれ自体に何らかの個別的な作用力があるのではなくて、万象の作用力を発現させているものである。雰囲気が良いとその中にいる人は気分がよくなって、それぞれの持てる能力を十分に発揮できるようなものである。

東洋医学は気の概念無くしては存在しえないものである。気とは何ぞやと聞かれると即答は難しいものであるが、如上のような「気」が根源にあると考えている。しかし気にもいろいろあって、真気、衛気、精気、陽気等の「○○気」と呼ばれるような気はそれぞれ何らかの個別的な作用力を持ち、人体を機能させている。が、それらも「気」がなくてはその作用力を十分発揮できない。
この気の概念に対する取り組みの差異が東西の医学を分けている。西洋医学では見えないもの、計測できないものは無いものとして切り捨てられており、したがって気は無いものである。

「○○気」で示したものは、こののち電気や磁気のようにセンサーが開発されて物理量として計測できるように成るかも知れないが、「気」で示したものはおそらく出来ないものと思われる。しかし論理的な帰結として「気」を認めた方が合理的である、とする日が来ると思う。
東洋医学、就中鍼灸医学は気の医学と言ってよい。私の臨床では今のところ唯一の気のセンサーである人体を利用する方法(O-リングテストのような)で診断、治療を行っている。そもそも「病気」とは気の巡行が阻害された状況をいう言葉である。このことは医学・医療を行う者すべてが考えてほしいことである。それが統合医療を機能させる「気」となるであろうと思うからである。
これが、私が臨床で培った気に対する勝手な現時点での思い込みである。

【略歴】
昭和18年7月1日生
昭和53年3月 大阪鍼灸専門学校卒業
平成12年4月より社団法人山口県鍼灸師会会長
タグ:鍼灸師
posted by IMJ2015事務局 at 16:22 | C専門分野からみた統合医療