【第20回】関 隆志 先生

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『統合医療にできること』


 関 骼u (セキ タカシ)
東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター
高齢者高次脳医学研究部門 講師 

 補完代替医療では治療効果があった例が宣伝に利用されることはあっても、効果のなかった例が検討の俎上に載せられることは少ない。どのような症例に適用となりどのような症例には適用にならないのかがわからない治療方法が多い。統合医療にできることは大きく三つある。一つは、チーム医療の中に伝統医学を含む補完代替医療(Traditional medicine and Complementary and Alternative Medicine; TCAM)を取り込むこと。もう一つは、伝統医学の知見を統合し、現代の医学においていままで気づかれなかった病気の原因を解明し治療方法を開発するヒントとすること。そして、統合された伝統医学の知見を用いてあまた存在する補完代替医療の効果を最大限に引き出すためにそれぞれの補完代替医療の適用をみいだすことである。

 TCAMは現代西洋医学の医療の中でこそ生きてくる。さまざまな検査などにより効果や安全性の評価が可能だからである。TCAMがもつ心身・疾病に対する視座は現代西洋医学と大きく異なるものがある。そこには、病気の原因を発見し難治性疾患の新たな治療方法を開発するヒントが隠れているのではないか。現代の科学の手法で再検討することにより、TCAMを現代の医学を発展させるヒントとして活用することができるであろう。また、伝統医学理論は種々の補完代替医療を統合・体系化する可能性を秘めている。統合・体系化は個々の補完代替医療の適用を見いだし、最大限に活かすことにつながるだろう。

【略歴】
東北大学医学部附属病院老年・呼吸器内科医員、
東北大学大学院医学系研究科先進漢方治療医学講座講師、
同高齢者高次脳医学講座講師を経て現職。

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posted by IMJ2015事務局 at 16:15 | D統合医療に期待していること