【第35回】西條 一止 先生

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『ー厚生省特定疾患スモン調査研究班に
 おける統合医療実践経験ー』


西條 一止 (ニシジョウ カズシ)
筑波技術短期大学(元)学長、名誉教授

 厚生省特定疾患スモン調査研究班においては昭和48年度から、スモン患者の異常知覚に対して東京教育大学芹澤勝助教授(西條は助手として研究のとりまとめを担当した)により鍼・鍼麻酔方式の治療が試みられた。

  腹部症状、腰、下肢の冷えなどを主とした不定愁訴の改善が認められ、知覚障害については全治は認められないが、レベル、程度については改善が認められた。

 以上のようにSMONの後遺症に対して一応の評価を得たが、鍼・鍼麻酔方式による治療には可逆性があり一過性である。そこで昭和50,51年度には鍼・鍼麻酔方式による治療効果持続のためのホームプログラムの開発を目的として、臨床分科会にプロジェクトチームを編成し、臨床研究を進め、鍼・鍼麻酔方式による治療効果持続のための方法として筑波大学理療科(芹澤)の考案・開発によるスポット表面電極麻酔方式(現在の皮膚表面電極による低周波治療器の最初)を取り入れ、その安全性、応用方法について研究した。 その結果、鍼麻酔方式のよる治療効果持続の方法として使用可能であることを確認した。 ホームプログラムとしてのスポット方式の使用には、専門臨床家の指示および管理が必要であり、社会的および患者のニーズに十分且つ合理的に応えるため、全国的な診療システムを組織する必要があると考える。という結論を得た。

  昭和53年度には東北大学温泉治療学研究施設(佐直信彦)、群馬大学リハビリテーション医学研究施設(平井俊作)、筑波大学理療科(芹澤勝助)、名古屋大学第1内科(祖父江逸郎)、大阪大学第2内科(高橋光雄)、岡山大学神経精神科(池田久雄)、鹿児島大学第3内科(井形昭弘)の7施設において研究を進め、東北大学には宮城県立盲学校、群馬大学には群馬県立盲学校、名古屋大学には愛知県立名古屋盲学校、岡山大学には岡山県立盲学校、の各盲学校から鍼治療チームの参加を得て研究が実施された。

  これらの研究の成果により、国の施策で、昭和53年12月からSNOM患者に対する鍼・灸・マッサージ治療費が国費負担で行われるようになった。

 1970年代、40年前に行われた統合医療実践例である。
(厚生省特定疾患スモン調査研究班昭和53年度研究業績、昭和54年3月)

【略歴】  
西條一止は、昭和46年東京教育大学をスタートとして、筑波大学、筑波技術短期大学に置いて
40年近く鍼灸の基礎・臨床研究、教育に従事した。
この間昭和48年から平成10年まで特定疾患スモン調査研究班での研究に従事した。

posted by IMJ2015事務局 at 17:08 | @統合医療との出会い