【第50回】廣田 健 先生

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2015年7月24日

『私と統合医療』



廣田 健(ヒロタ タケシ)
ひろた歯科医院 院長 



 大学院生時代に腰痛に悩まされていた私は、教授の薦めで鍼灸治療を受けました。施術してくださった先生は著書もある方で、施術を受けている途中から、腰の痛みが軽減していくのを感じました。それまでにも何度か腰痛で鍼灸治療を受けた事があったのですが、それとはまったく異なる体感でした。それ以来、東洋医学に興味を持ちました。

 2002年に、咬み合わせの不具合、いわゆるアゴずれが生体に及ぼす影響について学ぶ機会があり、私の顎ズレを是正(顎位是正治療)していただいた瞬間、大学院生時代に受けた鍼灸治療と同じ感覚を味わったのです。そうです、腰に感じていた違和感が瞬時に消え去ったのです。この体験が統合医療を始めるきっかけとなりました。
この体験をする前まで、歯の欠損を補う治療、歯根の治療と牙1本単位での治療に専念していましたが、顎位を重要視した歯科医療へと変化していきました。

 下顎骨は頭蓋骨、上顎骨から筋肉で吊り下げられた約1Kg重の骨で、舌骨を介して胸骨などから引っ張られています。下顎骨が身体の正中線を基準とし、前後左右どちらかに偏ると、姿勢が変化し、筋肉の弛緩・硬直が発現します。この筋肉の変化が肩こりや腰痛などの原因、さらには頸椎にも影響を与えると考えています。私が所属するNPO法人日本咬合学会では、20年に亘り、これらの症状と顎ずれの関係を研究し、関連性を明らかにしてきました。近年の研究結果では、脳機能に良い影響を与えている事も明らかになり、顎位の重要性がより一層解明されたのです。

 現在では、日頃からお付き合いのある鍼灸の先生と患者情報を共有し、アゴズレが原因と考えられる肩関節周囲炎や頸部の筋肉硬直、腰痛などの治療を顎位是正治療と経絡の刺激(鍼灸治療)で患者の症状緩和に努めています。
歯周病などの感染症治療も歯科医療として重要ですが、同一患者の情報を他科の先生と共有し、症状改善に向けた治療が今後、さらに重要になると感じています。今後も統合医療の重要性を後進に伝えていく所存です。

【略歴】
歯科日常診療にプラセンタ療法、オゾン療法、鍼灸治療を取り入れ、口腔内科的な医療を提供すると共に歯科医師にとって重要な『咬み合わせ(顎位是正)治療』を主として行っております。福岡歯科大学卒。最終学歴:福岡歯科大学院修了。歯学博士(専攻口腔細菌学)

所属団体と主な役職
NPO法人日本咬合学会理事。日本医療・環境オゾン学会理事。オーラルプラセンタ医学研究会副理事長など

タグ:歯科医師
posted by IMJ2015事務局 at 15:17 | A私と統合医療